大阪府大阪市西区の歯医者さん うえすぎ歯科クリニック
歯科医師 院長 上杉良太です。
若くても心配!歯周病はなぜ若年層にも起こるのか
歯周病は、一般的には中高年に多く見られる病気と考えられがちですが、近年では若年層にもその発症が増えています。本記事では、若くても歯周病になる可能性がある理由や予防法、治療法について詳しく解説します。若い世代の方々が歯周病について正しい知識を持ち、健康な口腔環境を維持するための参考にしていただければ幸いです。
目次
1. [歯周病とは](#1-歯周病とは)
2. [歯周病が若くてもなる原因](#2-歯周病が若くてもなる原因)
3. [歯周病の症状](#3-歯周病の症状)
4. [若年層における歯周病のリスク要因](#4-若年層における歯周病のリスク要因)
5. [歯周病の予防方法](#5-歯周病の予防方法)
6. [歯周病の治療法](#6-歯周病の治療法)
7. [若くても歯周病を放置するとどうなるか](#7-若くても歯周病を放置するとどうなるか)
8. [まとめ](#8-まとめ)
1. 歯周病とは
歯周病は、歯を支える組織である歯周組織に炎症が生じる病気です。主に「歯肉炎」と「歯周炎」の二つに分類されます。歯肉炎は歯茎の炎症で、早期に対処すれば治癒が可能ですが、進行すると歯周炎となり、歯を支える骨まで破壊される恐れがあります。歯周病は、口腔内のバイオフィルム(プラーク)が原因で起こることが多く、適切な口腔ケアを行わないことが主なリスクとなります。
2. 歯周病が若くてもなる原因
歯周病は年齢に関係なく発症する可能性があります。若年層で歯周病が起こる主な原因には、以下のようなものがあります。
不十分な口腔ケア
歯磨きやデンタルフロスの使用が不十分だと、プラークが蓄積しやすくなります。特に若い人は忙しくて口腔ケアを怠りがちになるため、歯周病のリスクが高まります。
喫煙
喫煙は歯周病のリスクを高めることが知られています。タバコに含まれる有害物質が歯周組織の健康を損なうため、若い頃からの喫煙は歯周病の発症につながります。
遺伝的要因
遺伝的な要因も歯周病の発症に影響します。家族に歯周病の人がいる場合、若くても発症するリスクが高まります。
ストレス
精神的ストレスは免疫力の低下を招き、歯周病を引き起こしやすくします。若い世代でもストレスを感じやすい環境にある場合、歯周病のリスクが増します。
3. 歯周病の症状
歯周病の初期段階では自覚症状が少ないことが多いですが、進行すると以下のような症状が現れます。
歯茎の腫れや出血
歯磨き時や食事中に歯茎が出血することがあります。また、歯茎が赤く腫れることも特徴的です。
口臭
プラークや歯石が蓄積することで、持続的な口臭が発生します。特に、起床時や食後に強い口臭を感じることがあります。
歯の動揺
歯周炎が進行すると、歯を支える骨が破壊され、歯が動きやすくなります。これにより、歯が抜けやすくなることもあります。
歯茎の退縮
歯茎が歯から離れていく状態が進行し、歯根が露出することで知覚過敏が生じることがあります。
歯並びの変化
歯周病によって歯が動揺すると、歯並びが乱れることがあります。見た目にも影響が出るため、心理的なストレスを感じることもあります。
4. 若年層における歯周病のリスク要因
若年層で歯周病が発症するリスク要因は多岐にわたります。
不規則な生活習慣
夜更かしや不規則な食生活は、歯周組織の健康に悪影響を及ぼします。特に、甘い食品やジュースの過剰摂取はプラークの生成を促進します。
歯列不正
不正な歯並びは、歯間の清掃が難しくなり、プラークがたまりやすくなります。これにより、歯周病のリスクが高まります。
ホルモンバランスの変化
思春期や妊娠など、ホルモンバランスが変化する時期には、歯茎が敏感になりやすく、歯周病にかかりやすくなります。
栄養不足
ビタミンCやカルシウムなど、歯周組織の健康に必要な栄養素が不足すると、歯周病のリスクが高まります。バランスの取れた食事が重要です。
5. 歯周病の予防方法
歯周病を予防するためには、日常的な口腔ケアが欠かせません。以下に有効な予防方法を紹介します。
正しい歯磨き
毎日のブラッシングが基本です。適切な磨き方を学び、歯茎や歯の隅々まで丁寧に磨くことが重要です。電動歯ブラシの使用も効果的です。
デンタルフロスの活用
歯ブラシだけでは取り切れない歯間のプラークを除去するために、デンタルフロスを使用しましょう。毎日の習慣にすることで、歯周病の予防につながります。
定期的な歯科検診
半年に一度の歯科検診を受けることで、早期発見・早期治療が可能になります。歯周ポケットの深さや歯石の有無をチェックしてもらいましょう。
健康的な食事
ビタミンやミネラルを十分に摂取し、バランスの取れた食事を心がけましょう。特にビタミンCは歯茎の健康維持に重要です。
禁煙
タバコを吸わないことで、歯周病のリスクを大幅に減少させることができます。喫煙者は禁煙を検討しましょう。
6. 歯周病の治療法
歯周病の治療は、病状の進行度によって異なります。早期段階では簡単な治療で済みますが、進行するとより専門的な治療が必要となります。
歯石除去とスケーリング
歯石が蓄積した場合、歯石除去やスケーリングと呼ばれるクリーニングが必要です。これにより、プラークや歯石を除去し、炎症を抑えます。
ルートプレーニング
歯周ポケットが深くなった場合、歯の根面を滑らかにするルートプレーニングが行われます。これにより、再びプラークがたまりにくくなります。
抗生物質の使用
感染が広がっている場合、抗生物質の内服や局所治療が行われることがあります。ただし、副作用や経済的負担もあるため、医師と相談する必要があります。
外科的治療
歯周組織が著しく損傷している場合、外科的な治療が必要となります。骨の再生を促す手術や、歯茎の再生を目指す治療法があります。身体的には負担が大きく、経済的な負担もかかりますが、適切な治療を受けることで口腔内の健康を取り戻すことが可能です。
メンテナンス治療
治療後の再発防止のため、定期的なメンテナンスが不可欠です。これにより、健康な状態を維持し、歯周病の再発を防ぐことができます。
7. 若くても歯周病を放置するとどうなるか
若年層で歯周病を放置すると、以下のような深刻な影響が生じます。
歯の喪失
歯周炎が進行すると、歯を支える骨が破壊され、最終的には歯が抜け落ちることがあります。これは食事や発音に支障をきたすだけでなく、審美的な問題も生じます。
全身の健康への影響
歯周病は、糖尿病や心疾患、呼吸器疾患など、全身の健康にも悪影響を及ぼすことが知られています。歯周病が炎症を引き起こすことで、これらの病気のリスクが高まります。
自尊心の低下
歯周病により見た目に変化が生じると、自信を失い、人付き合いやコミュニケーションに支障をきたすことがあります。特に若い年代では、社会生活に大きな影響を与える可能性があります。
経済的負担の増加
歯周病の治療は、早期に対処すれば比較的安価ですが、進行すると治療費が大幅に増加します。また、歯の喪失に伴う補綴治療も経済的な負担となります。
8. まとめ
歯周病は年齢に関係なく発症する可能性があり、若い世代にも深刻な影響を及ぼします。予防には正しい口腔ケアと定期的な歯科検診が不可欠です。万が一歯周病を発症した場合でも、早期に適切な治療を受けることで健康な口腔環境を取り戻すことが可能です。若くても歯周病のリスクを理解し、日々のケアを怠らないことが、健康な歯を維持するための鍵となります。ぜひ、この記事を参考にして、歯周病予防に努めてください。








