インプラントや矯正など、自由診療(保険適用外)の治療を検討していると、必ず気になるのが費用のことだと思います。そのときに知っておいていただきたいのが、医療費控除という制度です。
歯科の治療費は、条件を満たせば医療費控除の対象になります。ただし、何でも対象になるわけではなく、目的によって扱いが分かれます。大阪市西区・九条の当院でよくいただくご質問をもとに、考え方を整理しました。なお最終的な判断は税務署が行いますので、具体的な申告については所轄の税務署または国税庁の案内をご確認ください。
目次
- 医療費控除とはどういう制度か
- 歯科では何が対象になるのか
- 矯正治療は目的によって変わります
- 通院にかかった交通費も含められます
- 分割払いをした場合
- 実際にどれくらい戻るのか
- 費用のご説明について
- まとめ|治療が目的なら、対象になります
1. 医療費控除とはどういう制度か
1年間に支払った医療費が一定の額を超えた場合、その分を所得から差し引くことができる制度です。所得が減るぶん、納める税金が少なくなります。会社にお勤めの方でも、確定申告をすることで受けられます。歯科の治療費もこの医療費に含まれます。
家族の分をまとめて申告できます
生計を一つにしているご家族の医療費は、合算して申告できます。ご自身の治療費だけでは基準に届かない場合でも、ご家族の分を合わせると対象になることがあります。誰の名義で申告するかによって、軽くなる額が変わる場合もあります。
▲ 領収書を保管しておくことが出発点になります
2. 歯科では何が対象になるのか
治療を目的とした費用は、保険が適用されるものも、自由診療のものも、基本的に対象になります。インプラント、根管治療、被せ物、入れ歯。これらは治療にあたるため、費用が高額であっても対象として扱われます。使用した材料が高価であることだけを理由に除外されるわけではありません。
分かれ目は目的です
同じ処置でも、治療のために必要なのか、見た目を良くすることが目的なのかで扱いが変わります。たとえばホワイトニングは、審美を目的とするものとして対象外とされています。判断に迷う場合は、税務署に確認していただくのが確実です。
▲ 治療が目的か、見た目が目的かで扱いが分かれます
3. 矯正治療は目的によって変わります
矯正治療は、判断が分かれやすい代表例です。かみ合わせに問題があり、機能を改善するために必要と認められる場合は対象になります。一方、見た目を整えることのみを目的とする場合には、対象外とされます。同じ装置を使っていても、扱いが変わるということです。
お子さんの場合は認められやすい傾向があります
成長過程にあるお子さんの矯正は、歯列の発育を促すために必要なものとして扱われることが多くなります。大人の場合も、機能上の必要から行うのであれば対象になりえます。必要に応じて診断書をお出しすることもできますので、ご相談ください。
▲ あくまで目安です。判断は税務署が行います
4. 通院にかかった交通費も含められます
見落とされやすいのが交通費です。通院のために使った公共交通機関の運賃は、医療費に含めることができます。お子さんの通院に付き添った場合の、付き添いの方の交通費も対象になります。領収書が出ないものは、日付と経路、金額を記録しておいてください。
自家用車のガソリン代は含められません
自家用車で通院した場合の燃料代や駐車場代は、原則として対象外とされています。また、タクシー代は、公共交通機関を使うことが難しい事情がある場合に限られます。この線引きは間違えやすいところですので、注意していただければと思います。
▲ 領収書が出ないものは、自分で記録しておきます
5. 分割払いをした場合
自由診療では、費用を分割してお支払いいただくことがあります。この場合、その年に実際に支払った額が、その年の医療費として扱われます。治療が終わっていても、支払いが翌年にまたがるのであれば、それぞれの年に分けて申告することになります。
クレジットで支払った場合
クレジットカードやローンを利用した場合は、信販会社が医療機関に立て替えて支払った日が基準になるとされています。実際に引き落とされる月とは異なりますので、契約時の書類も保管しておいていただくと安心です。
▲ いつ支払ったかが基準になります
6. 実際にどれくらい戻るのか
戻る額は、支払った医療費そのものではなく、そこから計算された控除額に税率をかけたものになります。したがって、所得によって効果は変わります。高額な治療を受けた年は、まとめて申告することで負担が軽くなる可能性があります。
申告しなければ受けられません
この制度は、自動的に適用されるものではありません。ご自身で申告して初めて受けられます。忙しくて手が回らないという方も多いのですが、過去の分についてもさかのぼって申告できる場合があります。詳細は税務署にご確認ください。
▲ 領収書があっても、申告しなければ適用されません
7. 費用のご説明について
当院では、自由診療をご提案する際に、総額と内訳を事前にお伝えしています。治療を始めてから金額が変わることのないよう、必要な処置を確認したうえでご説明します。ご予算に合わせて、複数の選択肢をお示しすることもあります。
遠慮なくご質問ください
費用のことは聞きにくいと感じられるかもしれませんが、納得したうえで進めていただくことが何より大切です。分割でのお支払いや、治療の順番を分けるといった調整も可能です。料金表のページもあわせてご覧ください。
▲ 始めてから金額が変わることのないようにしています
まとめ|治療が目的なら、対象になります
歯科の治療費は、保険が適用されるものも自由診療(保険適用外)のものも、治療を目的としたものであれば医療費控除の対象になります。インプラントや根管治療、入れ歯は対象として扱われます。一方、ホワイトニングのように審美を目的とするものは対象外とされ、矯正治療は目的によって扱いが分かれます。
通院にかかった公共交通機関の運賃も含められますが、自家用車の燃料代や駐車場代は対象外とされています。分割払いの場合は、その年に実際に支払った分が対象です。この制度は申告して初めて受けられますので、領収書は必ず保管しておいてください。なお、最終的な判断は税務署が行います。具体的な申告については所轄の税務署または国税庁の案内をご確認ください。費用のご相談は、大阪市西区・九条のうえすぎ歯科クリニックまでお気軽にどうぞ。
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出典・参考資料
- 国税庁 タックスアンサー「医療費控除の対象となる医療費」
- 国税庁 タックスアンサー「医療費控除の対象となる歯の治療費」
- 国税庁「確定申告書等作成コーナー」
- 厚生労働省 e-ヘルスネット「歯・口の健康」
※ 本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療方針を示すものではありません。症状や治療の経過・効果には個人差があります。本記事で扱う治療には自由診療(保険適用外)が含まれます。詳しくは歯科医師にご相談ください。








