歯が痛むのは分かっている。それでも予約の電話をかけられないまま、何日も過ぎてしまう——歯科が苦手だという方から、こうしたお話をうかがうことがあります。行かなければと思うほど、行けなくなってしまう。とてもよく分かります。
苦手意識には、たいてい具体的なきっかけがあります。そして、そのきっかけが何なのかが分かれば、対応できることは意外と多くあります。大阪市西区・九条の当院で実際に行っている配慮を、この記事にまとめました。
目次
- 怖さの正体は人によって違います
- 痛みが苦手な場合
- 音や振動が苦手な場合
- えずいてしまう場合
- 何をされるか分からないのが怖い場合
- 初回で治療を始めなくても構いません
- しばらく通っていなかった方へ
- まとめ|苦手なことは、そのままお伝えください
1. 怖さの正体は人によって違います
ひとことで「歯医者が怖い」と言っても、その中身はさまざまです。痛みそのものが苦手な方もいれば、音が耐えられないという方、器具を口に入れられることに抵抗がある方もいらっしゃいます。何が苦手なのかによって、できる対応は変わります。
過去の経験が残っていることもあります
子どもの頃に痛い思いをした、押さえつけられて治療された。そうした記憶が長く残っている方は少なくありません。それは決して大げさなことではなく、当時の対応が今と違っていたことによるものです。今はできる配慮が増えています。当時の経験をお話しいただくことに抵抗があるかもしれませんが、何がつらかったのかを知っておくと、同じことを繰り返さずに済みます。
▲ 何が苦手なのかによって、対応の仕方が変わります
2. 痛みが苦手な場合
痛みへの不安がもっとも多い理由です。当院では、表面に塗る麻酔を十分に効かせてから、細い針を使い、温めた薬液をゆっくり入れています。麻酔が効いていることを確認してから処置を始めますので、途中で効きが弱くなった場合も遠慮なくお知らせください。
痛くなる前に手を挙げてください
我慢してから伝えるのではなく、少しでも感じた時点で合図をしていただくのが理想です。あらかじめ合図を決めておきますので、口を開けたまま声を出せない状況でも大丈夫です。手を挙げていただければ、すぐに手を止めます。
▲ 伝えていただければ、対応できることがあります
3. 音や振動が苦手な場合
削るときの音は、耳からだけでなく骨を通じても伝わるため、耳をふさぐだけでは防ぎきれません。それでも、音楽を流す、休憩をこまめに入れる、削る時間を短く区切るといった対応で、負担を減らせることがあります。
削らずに済む方法があることも
初期のむし歯であれば、削らずに経過を見るという選択ができる場合があります。すべてがそうなるわけではありませんが、早い段階で見つかっていれば選択肢は増えます。この点でも、早めに来ていただく意味があります。
▲ 初回で治療まで進める必要はありません
4. えずいてしまう場合
器具や指が口に入ると吐き気を感じてしまう。これは意思の力で抑えられるものではなく、体の反応です。恥ずかしいことでも、我慢が足りないわけでもありません。体の向きを変える、使う器具を変える、鼻で呼吸することに集中していただくなど、対応の方法があります。
型取りが苦手な方も多くいらっしゃいます
型取りの材料が奥まで流れると、反応が出やすくなります。材料の量や姿勢を調整することで、負担を減らせる場合があります。事前に苦手だとお伝えいただければ、その前提で準備いたします。
▲ 伝えていただくほど、配慮できることが増えます
5. 何をされるか分からないのが怖い場合
見えない場所で、見えない器具が動いている。この状況そのものが不安の原因になります。当院では、次に何をするのかをその都度お伝えしてから進めています。予測できるだけで、感じ方はずいぶん変わります。
説明の量は調整できます
逆に、詳しく説明されるほうがつらいという方もいらっしゃいます。どちらがよいかは人によりますので、ご希望をお聞かせください。必要最低限だけをお伝えして、淡々と進めるという形にもできます。
▲ どれも、事前に伝えていただければ準備できます
6. 初回で治療を始めなくても構いません
受診したらその日のうちに削られるのではないか、と身構えて来られる方がいらっしゃいます。急を要する状態でなければ、初回は状況を確認して、ご説明するところまでで終えることもできます。ご自身が納得してから、次に進んでいただければと思います。
優先順位をつけてお伝えします
気になる部分が複数ある場合でも、すべてを同時に治す必要はありません。急ぐものと、しばらく様子を見てよいものを分けてお伝えします。一度にすべてを片づけようとしないほうが、続けやすいことも多くあります。費用の面でご不安がある場合も、そのままお伝えください。自由診療(保険適用外)をご提案する場合は事前に総額をお伝えしますし、保険の範囲で進める方法もあわせてご説明します。分からないまま話が進んでしまうことがないように心がけています。
▲ 続けられる進め方を、一緒に決めていきます
7. しばらく通っていなかった方へ
何年も受診していないと、それ自体が行きにくさになります。叱られるのではないか、と心配される方もいらっしゃいますが、そういうことはありません。来ていただけたことが第一歩ですので、そこから先を一緒に考えていければと思っています。
早いほど、できることが多くなります
痛みが出てから受診すると、削る量も通う回数も増えがちです。逆に、早い段階であれば選べる方法が増え、体への負担も小さく済みます。怖いと感じている方こそ、早めにお越しいただくことに意味があります。
▲ 早い段階ほど、選べる方法が多く残っています
まとめ|苦手なことは、そのままお伝えください
歯科が苦手という気持ちには、たいてい具体的な理由があります。痛みが不安なのか、音が耐えられないのか、えずいてしまうのか、何をされるか分からないのが怖いのか。どれなのかが分かれば、麻酔の工夫、休憩の取り方、体位の調整、説明の量といった形で対応できることがあります。
初回で治療を始めなければならないわけではありません。状況を確認してご説明するところまでで終えることもできますし、気になる部分が複数あっても、優先順位をつけて分けて進められます。苦手なことや過去のつらかった経験は、そのままお話しいただいて構いません。感じ方には個人差がありますので、ご希望に合わせて進め方を一緒に決めていければと思います。大阪市西区・九条のうえすぎ歯科クリニックまでご相談ください。
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出典・参考資料
- 一般社団法人 日本歯科麻酔学会
- 厚生労働省 e-ヘルスネット「歯・口の健康」
- 公益社団法人 日本歯科医師会「テーマパーク8020」
- 公益社団法人 日本小児歯科学会
※ 本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療方針を示すものではありません。症状や治療の経過・効果には個人差があります。詳しくは歯科医師にご相談ください。








