冷たい水を飲んだ瞬間、歯にキーンと痛みが走る。でもすぐ治まるから、そのままにしている——大阪市西区・九条の当院でも、こうしたご相談は季節を問わず多く寄せられます。
しみる症状には、知覚過敏によるものと、むし歯によるものがあります。対処法がまったく異なるため、まずどちらなのかを見分けることが大切です。この記事では原因ごとの特徴と、ご自宅でできる見分け方を整理します。
目次
- なぜしみるのか|歯の内部で起きていること
- しみる原因は主に5つ
- 知覚過敏とむし歯の見分け方
- 自宅でできる対処と、やってはいけないこと
- 歯科医院で行う処置
- しみる症状が歯周病のサインであることも
- 受診の目安|こんなときは早めに
- まとめ|しみる症状は、体からのサイン
1. なぜしみるのか|歯の内部で起きていること
歯の表面はエナメル質という硬い層で覆われ、その内側には象牙質があります。象牙質には無数の細い管が通っていて、その先は神経につながっています。何らかの理由でエナメル質が失われて象牙質がむき出しになると、冷たさや刺激がこの管を通って神経に伝わり、鋭い痛みとして感じられます。
しみる痛みの特徴
知覚過敏の痛みは、刺激を受けた瞬間に鋭く走り、刺激がなくなると数秒で治まるのが特徴です。ズキズキと持続する痛みや、何もしていないのに痛む場合は、神経まで炎症が及んでいる可能性があり、別の対応が必要になります。
▲ 象牙質がむき出しになることが、しみる症状の出発点です
2. しみる原因は主に5つ
象牙質が露出する原因はひとつではありません。歯ぐきが下がって根元が出てしまうケース、強すぎる歯みがきで歯が削れるケース、歯ぎしりや食いしばりでエナメル質にひびが入るケース、酸性の飲食物で表面が溶けるケース、そしてホワイトニングや詰め物の治療後に一時的に生じるケースがあります。
自分では原因を特定しにくい
複数の原因が重なっていることも珍しくありません。たとえば歯ぐきが下がっているうえに、強い力で磨いていて、さらに就寝中に食いしばっている、というように積み重なります。どれが主な原因かによって対処が変わるため、診察で確認することが近道になります。
▲ 複数の原因が重なっていることも少なくありません
3. 知覚過敏とむし歯の見分け方
しみる症状があるとき、多くの方が心配されるのが「むし歯ではないか」という点です。大きな違いは痛みの続き方にあります。知覚過敏は刺激の瞬間だけ痛んですぐ治まりますが、むし歯が進行している場合は痛みがしばらく続いたり、何もしなくてもズキズキしたりします。
見た目や場所にも違いがある
知覚過敏は歯の根元、歯ぐきとの境目付近に出ることが多く、その部分に穴は開いていません。一方むし歯は、噛む面や歯と歯の間に黒ずみや穴が見られることがあります。ただし歯と歯の間のむし歯は見えないため、自己判断では限界があります。
▲ 自己判断が難しい場合も多いため、気になるときは確認を
4. 自宅でできる対処と、やってはいけないこと
知覚過敏の場合、まず見直したいのが歯みがきの力加減です。毛先が広がるほど力を入れている方は強すぎます。歯ブラシは鉛筆を持つように軽く握り、小刻みに動かします。硬い毛先の歯ブラシから、やわらかめのものに替えるだけで症状が和らぐ方も少なくありません。
しみるからと磨かないのは逆効果
しみるのを避けて、その部分だけ磨かないでいると、汚れがたまって歯ぐきがさらに下がり、症状は悪化していきます。知覚過敏用の歯みがき剤を使いながら、やさしく確実に磨き続けることが改善への近道です。効果を感じるまでには数週間かかります。
▲ 磨かずに放置すると、かえって症状が進みます
5. 歯科医院で行う処置
セルフケアで改善しない場合は、歯科医院での処置を行います。露出した象牙質をコーティング剤で覆う方法、しみる部分に薬剤を塗布して刺激の伝わりを抑える方法、削れた部分を詰め物で補う方法などがあります。症状の程度と原因に応じて選択します。
原因が歯ぎしりなら、そちらへの対応も
食いしばりや歯ぎしりが原因の場合、しみる部分だけを処置しても再発します。就寝中に装着するマウスピース(ナイトガード)で歯にかかる力を逃がすことで、根本的な負担を減らします。原因に応じた対応をとることが、繰り返さないための条件です。
▲ 症状の程度と原因によって選択します
6. しみる症状が歯周病のサインであることも
歯ぐきが下がって根元が露出する背景に、歯周病が進行しているケースがあります。歯周病は歯を支える骨が溶けていく病気で、進むと歯ぐきの位置も下がります。しみる症状をきっかけに検査を受けたら歯周病が見つかった、という方は少なくありません。
根元はむし歯にもなりやすい
露出した歯の根元はエナメル質に覆われておらず、やわらかいためむし歯が進みやすい場所です。しみるだけだと思っていた部分が、実は根元のむし歯だったということもあります。年齢を重ねるほどこの根元のむし歯は増える傾向があります。
▲ しみる症状は、歯ぐきの状態を確認するきっかけになります
7. 受診の目安|こんなときは早めに
しみる症状の多くは、セルフケアの見直しで改善が期待できます。ただし、何もしていないのに痛む、痛みが数分以上続く、温かいものでもしみる、歯ぐきが腫れている、といった場合は、神経の炎症やむし歯の進行が考えられます。これらは自然には治らず、早めの対応が必要です。
我慢する期間が長いほど選択肢は減る
神経まで炎症が及ぶと、根管治療が必要になります。早い段階であれば、詰め物やコーティングといった負担の小さい処置で済むことがほとんどです。しみる程度だからと様子を見続けるより、一度確認しておくほうが結果的に治療も軽くて済みます。
▲ ひとつでも当てはまる場合はご相談ください
まとめ|しみる症状は、体からのサイン
しみる症状の原因は、歯ぐきの退縮、強すぎる歯みがき、歯ぎしり、酸による溶解、治療後の一時的な反応など複数あります。知覚過敏であれば刺激の瞬間だけ痛んですぐ治まりますが、痛みが続く場合や何もしないのに痛む場合は、むし歯や神経の炎症が疑われます。
しみるからといって磨かずにいると、かえって悪化します。やさしく確実に磨き続けることが改善の基本です。それでも改善しない場合や、痛みが続く場合は原因を確認しましょう。大阪市西区・九条のうえすぎ歯科クリニックでは、しみる原因を調べたうえで、必要な対応をご提案しています。
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出典・参考資料
- 厚生労働省 e-ヘルスネット「歯・口の健康」
- 公益社団法人 日本歯科医師会「テーマパーク8020」
- 特定非営利活動法人 日本歯周病学会
- 一般社団法人 日本歯科保存学会
※ 本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療方針を示すものではありません。症状や治療の経過・効果には個人差があります。詳しくは歯科医師にご相談ください。








